「メルシャン」といえば、大手ワインメーカー!

そう連想する方が多くいらっしゃると思います。

「メルシャン」の歴史を語る上で欠かせないのが「シャトー・メルシャン」ブランドです。

今では日本を代表するワインメーカーとして知られる「メルシャン」ですが、そのルーツは1877年に日本で最初に誕生した民間のワイン会社「大日本山梨葡萄酒会社」。

そう、日本ワインの歴史の幕明けを果たしたワイナリーこそが「シャトー・メルシャン」なのです!

日本固有のブドウ品種である甲州やマスカット・ベーリーAに加え、シャルドネやメルローなど、その土地の個性に合った様々な品種を栽培し、世界で高い評価を受けています。

日本ワインの美味しさを世界に広げ、国内外問わず世界中の愛好家に親しまれる「シャトー・メルシャン」。現在では勝沼ワイナリー・桔梗ヶ原ワイナリー・椀子ワイナリーを有し「フィネス&エレガンス」をコンセプトに調和のとれたワインを展開。

日本の風土で育まれたブドウの個性を最大限に引き出した、日本ならではの味わい深いワインを生み出しています。

サカツコーポレーションではシャトー・メルシャンと長年にわたり取引を続けてきました。

業務用酒販店としてのワインの仕入れ・販売のみならず、ワイナリーでの研修や試飲会などにも社員が参加して交流を重ねてきました。

そうした日々の積み重ねの中で、希少な銘柄も状況に応じて提供頂くなどの信頼関係を築いてきました。

今回はシャトー・メルシャン「桔梗ヶ原ワイナリー」の視察レポートをお届け致します。

桔梗ヶ原ワイナリー(長野県・塩尻)の視察へ!

今では、日本を代表するメルローの産地として、世界から高い評価を得ている桔梗ヶ原。桔梗ヶ原ワイナリーは、1938年に造られた歴史ある建物を利用してオープンした小さなワイナリーです。

JR塩尻駅から車で5分ほどの場所にあり、標高は700mほど。高原地帯で内陸性の気候。

松本盆地と木曽谷の間にあるため、南北からの風通しも抜群!

  • 湿気がこもりにくく、昼夜の寒暖差が大きい。
  • 年間降水量が全国平均より少なめ。
  • 火山灰由来の水はけのよい、黒くてホクホクとした土

秋は長く晴天が続くため、雨を嫌い晩熟が必要なメルロー品種には最適な環境!

今年は例年よりも暑く、訪問当日は6月末で30℃を超える気温の高さと日差しの強さでしたが、夜間はその半分、15度以下になるのだとか!

桔梗ヶ原ワイナリーの主要品種はメルローですが、ワイナリー敷地内にある試験畑「箱庭ヴィンヤード」では多様な欧州系品種のテスト栽培が進められています。

メルロー以外の赤ワイン品種、カベルネ・フランや、白ワイン品種のピノ・グリ、ゲヴェルツトラミネールも標高800mの高地で栽培されています。

青々としたブドウ畑で“傘がけ”を体験

“傘かけ”は、6月下旬から7月上旬に行う作業。

生育途中のメルローひと房ごとに半透明の白い紙をかぶせます。

紙の片面にはツルツルとした手触りのパラフィン加工が施されており、日差しの強い日は適度に日光を遮り、雨天時は雨水を防いでくれます。

一本の樹に実っているブドウ房の数は10~12房程。

畑で使用される農薬は一般的なブドウ畑の約半分に抑えており、作業中にはてんとう虫やクモ、ミツバチなどの虫を発見!

人の手を加え過ぎず、適切に加えることで、自然と調和する“自然由来の美味しさ”に活かされるのですね~

ブドウの樹周辺はあえて行き過ぎた手入れが施されていないようで、草花もたくさん生えていました。

桔梗ヶ原ワイナリーの醸造現場へ

収穫したブドウに少しでもストレスを与えないよう、選果したブドウの重力を利用して果実を移動させる「グラヴィティ・フロー」を採用しています。

ポンプによる移動に比べて衝撃が少なく、ブドウを優しく取り扱えるため、ブドウの繊細な個性を損なわないワイン造りが可能。

雑草やピーマンのような雑な香りを抑えて醸造しているのが特徴。ワインによっては新樽、古樽を含む様々な種類の木樽を選定して熟成し、ブレンドして造られています。

ワイナリー長、高瀬 秀樹 氏は、ワインの香りや味わいに関する研究、海外での醸造経験を活かし現地統括として栽培・醸造に従事されています。

シャトー・メルシャン全体では1998年からフランス・ボルドーの格付第1級「シャトー・マルゴー」の総支配人兼最高醸造責任者、ポール・ポンタリエ 氏をアドバイザーとして招聘し、より熟度の高いブドウ収穫を目指して、垣根栽培の導入や生育ステージごとの調査、キャノピー・マネジメント※を実施。

※キャノピー・マネジメントとは、ブドウの実の衛生状態や生育の為、ブドウ房の周りの葉を取り除いたり、ブドウの生育に適切なバランスを目指し、樹勢をコントロールする事。

ワイン造りに情熱を傾けるプロフェッショナルが協力し合い、新たな製法にトライし続けることで、ワインの大幅な品質向上につなげています。

シャトーメルシャンのワイン 試飲レポ

ゲヴュルツトラミネール&ピノ・グリ 2022

片丘地区で収穫された白ワイン品種のブレンド。いずれも個性のある品種ですが、醸造技術でクリーンな味わいの白ワインに仕上がっています。

塩尻メルロー 2019

塩尻地区全体のメルローを使用していて、試飲したワインの中では一番バランスが取れた印象です。

桔梗ヶ原メルロー 2014 ,2018

2018年はまとまりがあり、2014年は特にこの年号のヴィンテージとは思えないフレッシュさを感じました。

桔梗ヶ原メルロー シグナチャー 2019

試飲ワインの中では一番力強く、長熟だと予想できる秘めたポテンシャルを感じたワイン。「シグネチャー」とは「署名」という意味で、“特別なワインに醸造責任者が署名を入れる”ことを表しています。

「フィネス&エレガンス」という表現にふさわしい、全体的にまとまりが良くて繊細、優雅でなめらかな味わいでした。

視察を終えた感想

シャトー・メルシャンのコンセプトは『日本を世界の銘醸地に』

日本の自然、文化、感性を継承し、人々の歓びへと進化させ続けていくことを目指しています。

ワイナリースタッフの方々は、塩尻・桔梗ヶ原とその周辺地域のテロワールを最大限に活かし、メルローをはじめとするブドウのポテンシャルを最大限に引き出す方法を模索しながら、品質向上に日々取り組んでいました。

世界から認められる“日本ワインの顔”であるワイナリー。その反面、生産量が少ないがゆえにアイコンシリーズなど一部銘柄の流通量は限られてきました。

しかしながら近年は、限定商品の生産量も増えて流通も安定傾向にあります。

1985年に発売された単一品種ワインが1989年の国際ワインコンクールにてグランドゴールドメダルを受賞するなど、国外からも高い評価を受け続けるシャトー・メルシャンのワイン。

幅広いジャンルの飲食店にも胸を張ってオススメできる日本ワインの名酒です。

シャトー・メルシャン 桔梗ヶ原メルロー

華やかな香りが時間とともに広がり、繊細な味わいの中に厚みと力強さを感じさせるワインです。塩尻市桔梗ヶ原地区では1976年にメルローの植栽を開始。1985年ヴィンテージから『桔梗ヶ原メルロー』を生産して…

入数 12本
種類 赤ワイン
アルコール度数 14%
ぶどう品種 メルロー
メーカー名 シャトー・メルシャン
産地 長野
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シャトー・メルシャン 長野メルロー

熟した果実感と、エレガントな味わいがバランスよく感じられるワインです。日本を代表するメルローの産地である長野県のメルローを使用し、シャトー・メルシャンのワインメーカーが丁寧に仕込んだ原酒をアッサンブラ…

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